子供はなぜ指しゃぶりをするのか
子供のよくあるクセの一つが指しゃぶりです。
指しゃぶりを開始する時期は子供それぞれですが、だいたい2~4か月ころの自分で手足を自由に動かせるようになってきたあたりから無意識に行う行為のようです。
子供が指しゃぶりをする理由については現在までいろいろな説が出されていますが、その中でも有力なのは赤ちゃんがお母さんのおっぱいを吸うという仕草を真似ているということです。
赤ちゃんが生まれて最初に口にする食べ物がお母さんのおっぱいですが、これをうまく吸うためには何度が練習をしなければいけません。
赤ちゃんに最初におっぱいを飲ませようとしても、うまく吸い出すことができずにむせたり吸う力が弱くておなか一杯にならなかったりすることはとくあります。
そこで赤ちゃんはお母さんのおっぱいを口に入れたときにうまく吸い出すための練習を無意識にしていくことになります。
それが指しゃぶりではないかと考えられています。
しかしその説で考えると、おっぱいではなく離乳食や普通の食事をする年齢になってからも指しゃぶりを続ける理由はありません。
子供の中には年少さんとして保育園・幼稚園に入ってからも指しゃぶりをやめない子もいるようで、しばしば親からの悩みとして聞かれます。
しゃぶりすぎて指にタコができてしまうことも
指しゃぶりは一つのクセなので、年齢が高くなれば自然になくなるというのが通常です。
しかし中にはあまりにも頻繁に行ってしまうために指にタコができてしまったり、歯並びに影響が出てしまったりすることがあります。
そうした場合には親としては一刻も早くやめさせたいと思うところですが、無理に禁止をしても親のいないところでこっそりやるようになるだけで完全にすぐに停止させるのは難しいでしょう。
ある程度大きくなってからの指しゃぶりは、精神的に「寂しい」と感じているときに起こりやすいとされています。
大人になってからもなんとなく不安や寂しさを感じるとものを口に入れたくなったりしますが、子供の場合はお母さんと一体感を持つことができた授乳期の記憶が近いのでそれを疑似的に行うことで精神的な安定を図ろうとするのです。
ですので精神的に大人になってそれほど親との一体感を必要としなくなってくると自然と指しゃぶりはなくなります。
もしかなり長い期間指しゃぶりをしているようなら、例えば親が子供と一緒の時間を十分に取れていなかったり、または他のきょうだいのために時間をとられているということがないかということを考えてみてください。
強く言うのではなく他のことに興味を持たせる
年齢が高くなると自然に指しゃぶりがなくなるのは、もう一つ保育園や幼稚園で友達ができたり、自分で遊ぶことができるといったように興味が他のことに移るからです。
自分が孤独であると感じると発生するのが指しゃぶりであるとすれば、他に何か夢中になれるものがあればそこで寂しさは一旦感じなくなるということになります。
しかし「どうせいつか治るから」とあまり楽観視しすぎるのも問題です。
子供が精神的に自立して他のものに興味を持つようになるのは、そこに「自分はきちんと愛されている」という土台があるからです。
自分は愛されていないのではないかという不安を抱えたまま大人になるとどうしても精神的なもろさを持つことになってしまいますので、子供の指しゃぶりは親に対しての「もっと自分のことを見て欲しい」のサインと思い、強く言ってやめさせるのではなく粘り強く愛情を注ぐようにしてあげてください。