いじめは完全に撲滅するのは難しい
昔から子供同士のいじめというのは親にとっては悩ましい問題です。
わが子が学校でいじめられているとわかったときのショックはかなり大きなものですが、かといって親が直接学校に踏み込んで現場をおさえるというのはできません。
学校にわが子がいじめられている疑いがあると伝えたとしても、それがただちに改善につながるという確証もありません。
子供同士というのは大人のように世間体というものが意識されませんので、時に非常に残酷に自分よりも弱いと思われるものをターゲットにいじめを行ったりします。
まず最初に覚悟をしてもらいたいのが、子供同士の「いじめ」というのは仮にどんなに力をかけたとしても完全になくすことは不可能であるということです。
強いものが弱いものを虐げるという行動そのものは子供でも大人でもよくある話であり、建前としての倫理論を持ち題しても全ての子供にそれを守らせることはできません。
いじめは確かによくないものですしなくなってもらいたいものではありますが、それでも絶対に争いはなくすことはできないということはしっかり理解しておいてもらいたい点です。
「いじめられやすい子ども」とはどういう子か
その上で考えたいのがどういった子供がよりいじめのターゲットになりやすいかということです。
いじめの構造をよりわかりやすく示した話に「みにくいアヒルの子」がありますが、人というのは自分たちとちょっと違うと思われる子供や、身体能力が劣る子供を下に見て攻撃を仕掛けたがる傾向があります。
いじめを受けやすい子供によくある特徴としては、「体が弱い」「自己主張が少ない」「競争が苦手」といったことがあります。
逆にいじめをする子供というのは家庭などで何らかの問題を抱えていることがよくあり、身近に誰かを攻撃して自分のストレスを晴らす人がいると自然にそのことを真似をする傾向にあります。
いじめをするという行為は何かを正々堂々と争って勝敗を決めたいのではなく、絶対に自分には逆らわない相手を見つけて攻撃をすることで自分が勝ったという優越感を得たいということが目的なので、当然にターゲットになるのは自分よりも弱いもの、反撃をしてこないものとなります。
逆に言えばちょっとでもいじめをする相手の想定以上の反撃や反論などをする態度が見られると、その時点でいじめる側にとっての「そんなはずじゃなかった」という気持ちにつながりますのでそこでいじめが止まるということもよくあります。
いじめのターゲットになりにくい人になるためには、できるだけ普段から自分の意見を持つようにし、周囲に親しい友人を数人作っておくようにというのが防御法となります。
子供のバックアップになってあげる
しかし生まれつき気が弱い子や優しい子になると、仮にいじめのような行為を周囲から受けたとしても、うまく反撃することができずただ耐えてしまうということもあります。
もし明らかに誰かにいじめられているということがわかったら、親は余計に相手の親や学校に怒鳴り込んでいくのではなく「自分は子供の味方だ」ということをしっかりメッセージとして示すようにしましょう。
子供にはきちんと子供の考えや世界があるので、親がよかれと思ってやったことが裏目に出てしまうことがあります。
できることなら普段から子供とよく話し合ってそこで本音を引き出すようにしてもらいたいところですが、もし固くなに子供が自分の気持ちを話さないなら無理に聞き出そうとはせず、ただ「味方だからいつでも力になる」というメッセージを何度も伝えるようにしましょう。
そしてもし頼ってきた場合には、どういった解決こそが望ましいかを子供と一緒に考えてあげるようにしてください。