イクメンは「なる」ものではなく「つくる」もの
イクメンブームが始まってすでに10年くらいになるでしょうか。
今の親世代の人たちが幼い子供だったころには、「男子厨房に入るべからず」ではないですが男性が家事をすること自体が「恥ずかしいこと」というふうに世間的に思われてきました。
時代が変わり女性の社会進出が進んだことにより、それまでほぼノータッチでも許されてきた男性の育児参加も今や常識にように言われるようになっています。
とはいえならば世の男性がすべて育児に参加をしているかというとそういうわけではなく、妻や母の思いがうまく伝わらずともに育児をしていくことが難しいと感じる男性も多いようです。
職場や身の回りのものに子供の写真を入れては、知り合いに「俺は子供が大好きでさ~」アピールをして「イクメン」を自称している男性に対して苦々しい思いをしている女性も多いことでしょう。
断言をしますが「イクメン」は待っているだけで自然になってくれるものではありません。
もし自分の夫に「イクメン」を望むならば、母であり妻である女性がどういう人こそが「イクメン」であるかということをしっかり伝えていく必要があります。
なぜ「言ってもやってくれない夫」になってしまうのか
育児に限らず家事全般に対して、女性が思っているように家での仕事をしてくれるという男性は少ないようです。
よく言われることですが、家事仕事に対して女性はそれを「手間」でカウントするのに対し男性は「数」で数えるという傾向があります。
例えば朝の仕事として妻が子供と夫の朝食を作ってそれを片付けるということを役割にしていたとします。
対して夫はいつもゴミを出すということを仕事としていた場合、「台所にあるゴミをまとめる」「そのゴミを出す」という二つの動作は「食事を作る」「後片付けをする」という二つの動作と一緒なので自分は対等に家事をしているという感覚を持っていたりします。
もちろんこれは極端な例ですが、しばしば夫の家事参加に不満を持っている人の話を聞いてみると妻が自分にばかり負担があると感じているのに対して夫はどうして同じ「数」の仕事をしているのに怒られるのかわからないという気持ちを持っていることがよくあります。
女性にしてみれば「そのくらい少し考えればわかるだろ?」とイライラすることもあるのですが、人間というのはもともと物事に対して自分にとって都合のよい側面を正しいと思う傾向があるものですからそう思うこと自体を責めることはできません。
問題はその先にある、「ならばどうすればやってくれるか」ということを考えることです。
男性だからできることをお願いする
男女という性別関係なく家事は必ずできる作業です。
しかしそれまでほとんどやった経験がない人や、そもそもとして清潔感や行動力に違いがある人に対してまったく同じ水準で仕事の質を求めるというのは難しいことであるのも事実です。
ですので最初はまず「男性だからできること」を探してお願いするというのがよい方法です。
例えば男性親は男の子のおむつ替えやお風呂を嫌がることもあるのですが、それは逆に女性にはわからない男性ならではの付き合いをするということでもあります。
また小さな家事や仕事であっても、それをしたということに「そのくらいのこと言わないでもやってよ!」といった不満を伝えるのではなく、「やってくれてありがとう」という気持ちを先に伝えるようにしましょう。
誰しもお礼を言われて嫌な気分になる人というのはいませんし、褒められればもっとやろうという気持ちになります。
子育て中は子供のことだけでイライラして夫のことなんてかまってられない、という方も多くいますしその気持ちは痛いほどわかります。
ですがそこであきらめてしまってはさらに自分の負担ばかりを増やすことになってしまいますので、ぜひ現実的な努力をするべく「イクメン育成」を頑張ってください。